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CATのアメリカ東海岸留学

CATのアメリカ東海岸留学

実録インターンシップ

その人のインターン先はLA付近。半年の語学研修の後、後半半年がいわゆるインターン、つまりどこかの会社に入って働くといったプログラムに参加しているらしかった。前半は語学留学と同じだから学生ビザ(F-1)で入国してくることになる。そして彼女が持っているのは実際に学生ビザ(F-1)だった。ここではにゃ?と思った人はなかなか鋭い。この人、後半半年間は学生としてではなく働きながら滞在するわけだ。学生ビザがこんなに便利なものだという話はあまり聞いたことがない。

まず驚いたのはそういった違法バリバリのプログラムを平気でやっている会社があるということ。そして、就労内容は日系の引っ越し会社の事務というあまり学ぶものは多くなさそうな職場であったということである。

もっと驚いたのは、本人が「自分は違法行為をしている」という認識があったということ。つまり単純にダマされているわけではないということだ。ただ、最初からそれに気付いていたわけではなく、アメリカに来てからまわりの人と話しをしているうちにどうやら自分の参加しているプログラムはおかしい、と思いはじめたそうだ。

自分が話しをした時は、ちょうど語学学校から就労体験の部分へシフトしつつあった時であったが、もう自分でもってきたお金はほぼ使い切ってしまっていて、明日にもアパートを追い出されるという状態の時だった。業者に支払った料金とは別に自腹でアパート代を出していたというのもおかしな話だけど、さらにその体験就労先がもしそこで働いてくれるのであれば移り先のアパートを紹介して家賃と生活費を出してくれると言っているという。(あれ?元からそういう話しじゃなかったの?)

本人にしてみたら感謝感謝でどんな悪条件だろうが思わず舟に乗ってしまうのだろうが、外野からみればこれ以上ないくらいに「できすぎた」話しである。



なにはともあれ彼女はかなり究極の状態まで追いつめられていたわけだ。このままでいくと「違法滞在状態」に突入するわけだし、お金だってどうなるかわからない。聞けばもう手持ちのお金は30ドルで、家賃どころか食べ物にも困る状態におちいりつつあるという。

「どうしたらいいんでしょう?」

クレジットカードは持っていると言うので、とにかくチケット買って日本に帰るしかないだろうと言うとそれはいやだと言う。「日本に帰りたくないの?」と聞くとそういうわけでもないという。

彼女の言い分はこうである。

「自分は日本でこれまでぬくぬくと生きてきて、一つのことをやりとげたことがない。」
「だからアメリカに来る前に、今度こそ一つのことをやりとげる決心をしたのだ。」

それはそれで素晴らしいことだと思う。じゃあそのやりとげようと思ったことは何かというと・・・。

「とにかくなにがなんでもアメリカに1年いると決心してこちらに来た。」
「だから今ここで自分に負けて帰りたくない。」

これ聞いた時に頭が真っ白になりました。どっかにいるという行為が人によっては生きる目標になりえるとは・・・。出家して出直します(爆)。

また他の例を書く機会もあるかもしれないが、べつにこの話は「最強最悪のケース」を書いたわけではない。こういう話は他にもいくつか聞いた。そしてふと振り返ってみるとあれ?そういえばインターンシップでいい経験をしたって話はほとんど聞いたことがないということに気づく。

別に悪い例を選んで話を聞いているわけではない。つまりそれが実態なんだと思う。そして、当人達はたいてインターンシップが終わる頃にはいろんな意味でものすごい状態になっていて、当初の志からはかなり外れたところに到達しているということにすら気づけてないことが多いように見える。(これに似たような話しは「アメゆきさん」の中でも書いた。)もしかしたら自分がインターンシップというものをしようとしていたということすら忘れてしまっているのかもしれない。

(追記:このようなアメリカでの日本人インターンシップの構図は、最近日本で問題になっている「外国人の研修制度」と全く同じだ。このことについてはまたいずれ詳しく書くことになると思う。)

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(2007年9月1日更新)

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